日本ユニシスグループは、人財は企業における重要な資産(アセット)であり、人財こそ企業の持続的成長と中長期的な企業価値向上の原動力であると考えています。当社グループでは、人的資本への投資額の経年推移とその内訳を可視化し、毎年約30億円の投資を行っています。人的資本への継続的な投資は、時代とともに変化する社会課題を解決していくうえで、決して欠かすことのできないものだと考えています。
顧客・パートナーとともに、社会課題の解決に向けたビジネスエコシステムの構築を目指すには、新たなソリューションを生み出し、プラットフォームを提供していくことが必要です。当社グループは、2012年度から中期経営計画の重点施策の一つとして人財戦略に取り組んでいます。2015年度から2017年度の前中期経営計画「Innovative Challenge Plan」期間には、社内の縦割り型組織の壁を壊し、融合型組織に変革するなど、新たな事業モデルやビジネスエコシステムの創出に向けて、体制づくりの面でも大胆な取り組みを行ってきました。今後は、これまでの取り組みの成果を活かし、周囲の社員を巻き込みながら業務を遂行できる力、さらに社外の人財も巻き込んで、より大きな価値を生み出せる力を持った社員の育成を戦略的に行うことが必要だと考えています。
人財に対するこのような考え方のもと、当社グループは「思考変革・スキル変革」「ビジョン・戦略の浸透」「イノベーションの創出」という3点を重視した施策に取り組んできました。具体的には、自力で新規事業創出ができる人財育成プログラムや、社員のチャレンジを重視した人事考課、働き方改革などです。これらの取り組みを積み重ねた結果、ビジネスエコシステムの創出を目指し、事業創出に関連する専門性を持つ「ビジネスプロデュース人財」の数も増え、数々の新規事業創出や、外部評価獲得につながっています。
2018年度にスタートし、2020年度が最終年度となる中期経営計画「Foresight in sight 2020」では、時代の変化に素早く対応できる企業・組織能力の向上と、自ら価値を創造しビジネスエコシステムをデザインできる力を高めるために社員のスキル変革を推進し、チャレンジを推奨する風土改革を重点施策の一つに掲げています。
この風土改革は、社内外の環境変化を踏まえた戦略的人事改革を目的とした「Human Resource Foresight®」、組織・人財改革と働き方改革を進める「Workstyle Foresight®」、ダイバーシティを実践・推進する「Diversity Foresight®」、そして、制度や業務プロセスを見直し変革する「Management Foresight® 」という4つの柱により、人財戦略の推進を支えています。風土改革の取り組みを通じて、社員一人ひとりの思考・スキルの変革とビジョン・戦略の浸透に加え、イノベーションの創出を促すことで、社会課題の解決に直結するビジネスエコシステムの構築を目指しています。
ビジネスエコシステムやプラットフォームを提供し、社会に変革を起こせるような自律性の高い企業組織・風土を目指すには、戦略的に人事改革を進めることが必要です。そのため、当社グループでは人事改革への取り組みを推進しており、これを「Human Resource Foresight®」として、風土改革を構成する柱の一つに位置づけています。イントラパーソナル・ダイバーシティ(「個」の多様性)による持続的なイノベーションを促す人財をより多く輩出するため、2019年度より「ROLES ForesightTM」施策を遂行しています。ROLESとは「業務遂行における複数の役割」のことで、業務遂行で担う役割や、業務遂行(ジョブ)を担ううえで必要となるスキルやコンピテンシーを定義したものであり、経営戦略に基づいた各種事業戦略で必要とする人的資本の種類・質・量を可視化する中核概念です。「ROLES ForesightTM」施策では個の多様性のみを追求するのではなく、多様な個が補完し合い高い組織力を実現することも目指しています。ROLESを用いて人的資本の可視化を行うことで経営方針に沿った人財の獲得、育成と強化を実現し、イノベーションを起こしやすい風土の醸成を進め、経営環境の変化にあわせ柔軟に対応できる人財/組織能力を実装し、企業の成長に資する人的資本を強化・育成していきます。
当社グループは、当社の企業理念「すべての人たちとともに、人と環境にやさしい社会づくりに貢献します」のもと、人を大切にし、社会に必要とされる企業グループを目指すとともに、従業員が心身ともに健康であり幸せであることが、高い生産性や豊かな想像力を生み出し企業の発展につながると考えています。
当社グループは、会社・健康保険組合が一体となり、従業員の健康に対する関心・取り組み意欲向上と健康増進活動の活発化に努めてまいります。さらには、本取り組みを活かした事業を通じて、お客様や社会への貢献をはたします。
2016年4月にはグループ全体の健康経営戦略を統括する役割として、代表取締役社長がチーフ・ヘルス・オフィサー(CHO)に就き、健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実践することをさらに推進しています。
『生活習慣病予防』『メンタルヘルス対策』『オープンイノベーションの取り組み活用』の3つをテーマに、「健康増進」「早期発見・対応」強化による社員の健康増進に取り組んでいます。
身体指標に加え、自覚症状、生活習慣、ストレス、パフォーマンスについて多面的な分析を実施しており、たとえば、
等の分析結果が出ています。これらの結果を受け、PDCAサイクルを回しより効果的な施策への発展につなげています。
その他の健康経営の取り組みについては、労働安全衛生の取り組みも参照ください。
少子高齢化対策やワークライフバランス推進、グローバリゼーションへの対応といった社会的要請を背景に、企業における働き方改革の推進が拡大してきました。そして、新型コロナウイルス感染症の流行により、予防策とBCP(事業継続計画)の観点から、働く人々の生活様式の変容が加速しています。
当社グループでは、こうした要請に対応した労働環境を整備していくとともに、新たな価値を創造する企業風土の実現に向けた働き方改革を推進しています。
具体的には、新ビジネス創出や個々人の成長に向け個人生活も大切にしながら豊かな発想ができるゆとりを持つためにメリハリのある健康的な働き方を目指すことをビジョンに掲げ、働き方改革の実現に向けた4つの改革施策をグループ全体で展開しています。
こうした取り組みが評価され、2018年に、総務省がテレワーク先駆者百選として公表した企業などのなかから「他社が模範とすべき優れた取り組みを行っている企業」として表彰する、総務大臣賞を受賞しました。
本社ビルのフリーアドレス化を拡大し省スペース化を進め、2018年度には東京都内に点在する執務場所を本社に集約し、固定費削減を図るとともにコミュニケーションの活性化を推進しています。
また、勤務中の移動時間短縮および多様な働き方の実現に向けて都内および関西にサテライトオフィスを開設するとともに、全国各所のシェアオフィスの利用も可能になっています。
サテライトオフィスの月間利用人数は毎月増加傾向にあり、2020年8月には利用者数累計26万人を超えました。
仕事における時間の使い方を根本的に見直すことを組織的に行うことで意識変革に繋げ、生産性向上を図ることを目的に、残業ゼロの月を1回以上作る「残業メリハリ活動」を推進しています。
年間を通じて「残業ゼロ(5時間以下)」の月を1回以上達成することを目標としており、2019年度の達成率は100%でした。
2020年度も本活動は継続しており、時間の使い方(意識)と業務(仕組み)を見直し、考える機会としています。
また、時間・場所に制約されない働き方の実現を目指し、既存の在宅勤務制度を見直し、全社員を対象としたテレワーク制度を2017年10月より展開しています。
テレワークの拡大に向けた取り組みの一環として、政府の主導する「テレワーク・デイズ」に参加しています。2017年は豊洲本社勤務者の約4割が参加(期間:1日)、2018年度は豊洲本社勤務者の6割以上が参加(期間:5日)、2019年度は東京都内勤務者9割以上が参加(期間:15日)し、年ごとに規模を拡大して取り組んでおり、だれもが働きやすい社会の実現を目指しています。
テレワーク・デイズ等によりテレワークに対する経験値が向上したこともあり、新型コロナウイルス対応のため2020年4月から5月については、最大5,925人(全体の86%)、平均5,657人(全体の84%)の当社グループ社員がテレワークで業務遂行しました。6月以降も、7割以上がテレワークで業務遂行しています。(4月にコロナウイルス対策本部設立後、毎日テレワーク人数や客先出社人数などをモニタリングしています。)
ビジネスサービス部門(技術部門)における働き方改革の一環として、「T3(Time to think)活動」を実施しています。これは、部門の社員全員が毎週連続した時間を確保し、新ビジネスのアイデア創出やリサーチなど、担当している業務以外のことに自ら取り組む活動です。また、活動のための時間を生み出すために不要な会議や資料作成などの棚卸しを行い、社員一人ひとりがそれらの削減・廃止に向けた業務の見直しを図ることも目的としています。2016年より導入した本活動は、新たな思考の醸成と業務効率化を推進するための取り組みとして定着しています。
新しい価値創出と風土改革推進に向けた、職場における社員主体のグループ活動として「Foresight in sight活動」を実施しています。2020年度は「私たちのニューノーマルを創ろう」をテーマに、積極的な活動が行っています。
また、社内における会議のあり方(会議の種類、頻度、方式など)を見直し、改善を図る活動を推進しています。会議資料は電子化して事前配布し、会議に要する時間短縮を図るとともにWeb会議や社内SNSの活用による会議の効率化による生産性の向上を目指しています。さらに、1on1(コーチング)、面談、オンライン会議のための小規模会議室の設置を進めています。継続して会議効率化および意識改革・啓蒙活動を推進しています。
働き方改革の各施策を実現する基盤として、ICT活用とインフラの整備を推進しています。具体的には、Web会議の活用によるリモートワークシステムの導入・拡大や、イメージホワイトボードを活用した会議の効率化を進めています。
また、多様なICTツール(クラウドファースト(Office 365®)/モバイルファースト(moconavi®)/Microsoft Teams/企業内SNSなど)の活用により、コミュニケーションの促進/生産性の向上を図るとともに、イノベーションの創出につながるオフィス環境の構築を目指しています。また、社内コンテンツを集約し、知財を見つけやすくするためにセキュアなクラウド機能と高セキュリティ機能を有したBoxを導入し活用しています。その他、社内照査プロセスの電子化、ペーパーレスなども推進しています。
アフターコロナを見据えた新しい働き方に変革する必要があると認識しています。そのため新型コロナウイルス対策本部のもとに、変化後の社会を見据えた新しい働き方を検討するタスクフォースを設置しました。このタスクフォースでは、以下の基本方針に基づき勤務形態、執務環境、IT駆使によるさらなるデジタル化など具体的な施策を検討しました。準備が整った施策から順次試行等を開始しています。
当社グループは、顧客・パートナーと共に社会を豊かにする価値を提供し、社会課題を解決する企業を目指しています。そのために、新たな感染症や地震・台風などの自然災害による移動手段の制限、働く場所・時間の制約に対しても事業を継続できる柔軟さを持つ働き方に変革していきます。この変革は我々が強みを持つICTを活用し、働く場所と時間の自由度を持ち、より創造性を高め、効率的な働き方を目指すことでもあります。
当社グループは「顧客・パートナーと共に社会を豊かにする価値を提供し、社会課題を解決する企業」を目指しています。この実現のため、「ビジネスモデルの変革」「スキル変革」を進め、「チャレンジを推奨する風土改革」「日本ユニシスグループの持続的競争優位の源泉となる人的資源の強化」に取り組んでいます。その実現には、社員一人ひとりが新たな知識・スキルを獲得し、自ら変革を巻き起こし、果敢にチャレンジし続ける組織にしていく必要があります。現在、ビジネスプロデュース人財・マネジメント人財の育成と若手社員の積極登用に加え、従業員エンゲージメントの向上に焦点を当てたプログラムの実施・継続などによって、組織・人財改革のスピードを加速させています。また、経営陣の後継者計画(サクセッション・プラン)のもと、継続的な経営リーダーの輩出に向けた人財パイプラインの構築とプログラムの実施を進めています。
社員のエンゲージメント向上は営業利益率や労働生産性組織のパフォーマンスや業績にプラスの影響をもたらすものであり、企業が新しいビジネスモデルをデザインし、社会に提供していく組織的な能力を最大限に引き出すには、社内の各部署が自律的にPDCAを回し、社員のエンゲージメントを高めていくための仕組みづくり・組織づくりが重要と考えています。当社グループでは、全グループ社員を対象に、従業員意識と組織課題を可視化する目的で定期的にエンゲージメントサーベイを実施し、組織づくりに活用しています。サーベイ実施後は、経営陣も含めてサーベイ結果を分析し、分析結果と外部コンサルタントのアドバイザリーのもと、各部門の責任者が自組織の課題をもとにアクションプランを設定し、推進します。
エンゲージメント度合いを測る指標「エンゲージメントスコア(ES)」は、近年大幅に向上しています。
ビジネスエコシステムの創出を目指し、事業創出に関連する専門性を持つ人財としてビジネスプロデュース人財を定義し、育成を推進しています。その一環として、新事業を生み出す人財を発掘し育成することを目指す人財育成プログラム「NextPrincipal」プログラムを2010年度より毎年実施しており、2019年度までに延べ342人が受講しています。
当該プログラムの一つである、新規事業創出を担う人財育成と実際の事業創出を目的とした「アクセラレーションプログラム」では、2017年度にインド・バンガロールのスタートアップスクール「Commence-Mint」、2018年度にはデジタルビジネス・イノベーションセンター(DBIC)が主催するシンガポールでのイノベーションプログラムにそれぞれ2名の社員を派遣しました。外部との人財交流により相互に刺激し合うことで、派遣された社員が自身の知見・スキルを伸ばすとともに、本プログラムを通じて得たスキルやアイデアを当社のビジネスとして展開することを目指しています。
当社グループでは、経営ビジョンを踏まえたキャリアパスをもとにした人財の採用、育成、配置に関わる諸制度・施策を整備・運用しています。(日本ユニシスCDP:Career Development Program)
日本ユニシスCDPの前提となる能力開発の指針をキャリアパスと呼び、時代の変化に合わせて拡充しています。ビジネスエコシステムの構築を目指し、2017年度から事業創出に関連する専門性の種類として新たに「ビジネスプロデュース」を設定しました。
キャリアパスでは、幅広い専門性・マネジメント力・創出力を持ち合わせた人財となることを推奨しており、これに合わせたキャリアデザイン、育成プログラムの展開を進めています。
社員自らが価値創造しビジネスエコシステムをデザインする力を高めるため、各研修プログラムを、ビジネスエコシステムを構築するアーキテクチャー(4-LAB®:4-Layer Architecture for Business/フォーラボ)に即した新たな人財育成体系として整備しています。
各レイヤーのアセット(技術・業務ノウハウ・サービス・アイデアなど)を強化する研修に加え、階層別研修やダイバーシティ・マネジメントなど、全社員を対象とした研修をアセット共通としています。
この他、社員の能力開発手段は、自社で学ぶ研修に加えて、異業種交流などの外部研修・セミナー、eラーニングによる自己学習など多岐にわたります。
当社グループは、次の4つの方針をDiversity Foresight®と名づけ、多様な個性を持つ社員がそれぞれの力を十分に発揮し、個人の能力を最大限に発揮できる企業環境を目指してイノベーションが起こりやすい風土の醸成に努めます。
また、「日本ユニシスグループ役職員行動規範」に明記する通り、人権および多様な文化・慣習を尊重し、人種、性別、年齢、信条、宗教、国籍、性的マイノリティ、心身の障害などによる差別を行いません。
ダイバーシティ推進は、トップメッセージおよび中期経営計画において重要な施策であることを表明しており、マテリアリティ(サステナビリティ重要課題)のひとつでもあり、取り組み指標および目標を設定して取り組んでいます。
また、年に1回開催する「ダイバーシティ・トップ・セミナー」などを通じて、社長自らが全グループ社員に向けてダイバーシティ推進に対する取り組みなどを発信しています。
また、毎年、グループ社員を対象に、ダイバーシティをテーマとしたeラーニングを実施しています。
2013年10月にダイバーシティ推進室を設置し、女性活躍、障がい者雇用、育児・介護などの両立支援を推進しています。ワークライフバランスを支援するための施策はもちろんのこと、多様な人財が、それぞれのキャリアを向上させ、ビジネスに貢献できるような環境を整備し、必要な支援を積極的に行っています。
ダイバーシティ推進にまず必要なのは、管理職の理解とダイバーシティ・マネジメントの実践です。そのため、テーマ別(育児・介護・女性活躍など)および階層別に管理職を対象としたダイバーシティ・マネジメントに関する研修を行っています。また、当社グループ社員を対象としてダイバーシティの意義を理解するためのeラーニングや、当社グループのすべての役員、管理職、一般社員を対象として年1回社外の有識者を招き「ダイバーシティ・トップ・セミナー」を開催しています。
ダイバーシティ・トップ・セミナー | 当社グループのすべての役員、管理職、一般社員対象のセミナー。ダイバーシティ推進啓発のために社外著名人・有識者による講演の聴講後、社長および担当役員自らが自社の取り組みについて社員に説明 |
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ダイバーシティ・マネジメント研修 | 上級管理職対象の必須研修。組織運営と多様な人財の戦力化・評価・登用を目的としワークショップ形式で年1回開催 管理職対象の必須研修。部下に対する具体的な指導・評価の方法を理解することを目的とし、ロールプレイやディスカッションを取り入れた実践的な研修を年1回開催 |
社会要請と当社グループ戦略の両面から、ダイバーシティ推進の中でも特に女性の活躍推進を最優先課題ととらえています。
当社グループの育児休職復職率は、毎年95%以上と高い水準を10年以上継続しており、平均勤続年数の男女差も少なく就業継続の風土はすでにできており、「2020年にダイバーシティを活用したビジネスエコシステムを創出する企業になること」をビジョンとして積極的に女性活躍を推進してきました。
当社は取締役のうち2名、監査役のうち1名、執行役員のうち1名が女性であり、指標としてきた女性管理職比率は、2015年度の3.2%から2020年7月には10.2%に向上(当社単体)しました。また2015年度より新卒女性採用比率40%以上を目標としており、過去4か年は40%以上を継続(当社単体)しています。さらに2020年度(2021年度入社)の採用活動においては、新卒女性、新卒外国人をあわせた採用比率45%以上、を目標(当社単体)としています。
2020年4月~2025年4月の女性活躍推進法に基づく自主行動計画において、新たな数値目標(当社単体)を以下のとおり定めました。
単に管理職を増やすことが目的ではなく、女性社員の人財パイプライン(各層に上位へ昇格、管理職へ昇進する適正数の候補者が常に存在し、その中から然るべき人財が昇格・昇進する状況)の形成を目指し、女性社員の階層別育成プログラムをはじめとした各施策に取り組んでいます。
女性の活躍推進に関する情報は、厚生労働省の「女性の活躍推進企業データベース」に公表しています。
制度面の整備とともに、女性社員を中心としたネットワークを展開しています。
社内においては、社内SNSによる交流やランチタイムを利⽤したオフサイトミーティングの開催や、社内で活躍する女性社員をロールモデルとして、社内イントラにてインタビュー形式で紹介しています。
社外とのネットワークも広がっており、本社所在地である豊洲エリアのIT企業のダイバーシティ推進担当者によるネットワーク「WITTy(Women in IT in 豊洲)」に2013年の設立当初より参加し、女性活躍関連イベントの共催を通じた情報交換や課題の共有を行っています。
また当社グループは、2020年に女性のエンパワーメント原則「Women's Empowerment Principles(以下WEPs)」に署名しました。当社グループはWEPsへの賛同を通じて、自社内にとどまらずさまざまなステークホルダーと連携・協働してジェンダー平等、女性のエンパワーメントを促進し、ダイバーシティ経営のさらなる推進を図ります。
ダイバーシティ育成プログラム | 中堅・管理職候補の2コースに分かれ、研修・OJT・ネットワーキングを要素として実施 |
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女性社員のネットワーク | 全グループの女性社員を対象とした社内SNSおよび社外イベントへの参加 |
育児休職中のキャリア開発支援 | 育児休職中のeラーニングや資格取得、通信教育の受講と補助金の給付 |
育児休職ワークショップ | 育児休職者、復職者向けの復職後の働き方・キャリア構築セミナー(夫婦参加型)を開催 |
産休・育休者面談 | 産休・育休前および復職後の3者面談(本人・上司・ダイバーシティ推進室担当者)を開催 |
当社グループの障がい者雇用率は、2020年9月末日時点で2.45%となっています。
障がい者の活躍支援については、これまで積極的に取り組んでおり、2011年度から盲導犬の受け入れを開始し、盲導犬ユーザーの社員が安心して業務に集中できる環境を整えてきました。
2018年2月に当社グループの障がい者雇用の維持・拡大を目的に設立した当社の特例子会社であるNULアクセシビリティ株式会社のグループ適用が2020年4月に認定され、グループ会社5社も含めた包括的な雇用を推進しています。また、活躍の場の多様化の一環として、当社で2020年8月から屋外農園での雇用を開始し、農作業を通じて心身の健康と就労のやりがいを感じて楽しく仕事ができ、活躍してもらいやすい環境を整えました。
人生100年時代を背景に、シニア人財が定年前も定年後も業務経験・知識・スキル等を活かして活躍できるよう、キャリアデザイン研修等の各種研修、個別面談、機会提供を通じ、社員の自律的なキャリア選択を支援しています。
60歳定年後に継続雇用を希望する社員に対して、「再雇用制度」を設けており、最長65歳まで継続雇用しています。
また、特に高いスキルを保有し会社業績への貢献が期待できる社員については、70歳までの雇用を可能とするシニアエキスパート制度をすでに運用しており、2021年4月から努力義務となる70歳までの雇用に向けては、シニア人財全体のエンゲージメント向上を目指した制度の見直しを実施する予定です。
当社グループでは、性的指向や性自認にかかわらず、すべての人財が活躍できる環境づくりを目指しています。「グループ・コンプライアンス基本方針」「日本ユニシスグループ役職員行動規範」および「日本ユニシスグループ人権方針」において、LGBTに代表される性的マイノリティに対する差別を行わない旨を明記しており、セミナーの開催や、全グループ社員受講必須のeラーニング、メールマガジン、ハンドブックなどにおいて正しい知識の習得と理解促進に取り組んでいます。また、社内の支援者を増やす取り組みとして、オリジナルのAlly(アライ)シールを作成し、希望者へ配付しています。
当社グループでは、多様な属性や制約をもった社員も含め、一人ひとりが、個人の生活やライフステージにおけるさまざまなニーズに合った多様な働き方を選択可能にすることで、モチベーションを高く保ちながら働くことができる環境を整備しています。社員は自身のキャリア継続、キャリア構築を見すえながら自己啓発を怠らずに、その時期に合った働き方を自律的に選択します。それぞれの組織の中では、互いがワークライフバランスを実現できるように補完し合って、チームとして最大の成果を上げられるように努めています。
社員の勤続年数が長い(2019年度末の平均勤続年数:21.0年)当社グループでは、職務の重責を担う40歳代以上の社員が親や配偶者の介護に直面する可能性が高く、男女を問わず働きながら介護に関わることが想定されます。そのような人生の一大事に対しても会社として柔軟な制度を用意していることは、社員にとって大きな安心につながります。
当社は、法令を上回る介護に使用できる制度を有しており、介護休職や介護休暇(介護対象一人につき年間12日の休暇と、最大60日まで年休残を積み立てた積立特別有給休暇)、1日2時間まで勤務を短縮できる短時間勤務など用途に合わせて利用されています。また介護の実態・意識調査を実施し、介護への備えや業務との両立に関する介護セミナー開催や介護ハンドブック配布などの施策を展開しています。
介護休職 | 介護対象1人につき1年まで(複数回取得可能) |
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介護休暇 | (1)積み立て特別有給休暇を半日単位で利用 |
(2)介護対象一人につき12日/年 | |
フレックスタイム | 月内で勤務時間数の過不足を清算。コアタイムあり |
カウンセリング | 職業家庭両立アドバイザー、社員相談室、外部カウンセリングに随時相談可能 |
短時間勤務 | 2時間/日まで |
介護セミナー | 年1回開催、全グループ社員対象、社外の有識者による仕事と介護の両立を目的とした講演 |
ダイバーシティ・マネジメント研修(介護編) | 年1回開催、管理職必須研修。介護に携わる部下のマネジメントと管理職自身の介護への備えのために開催 |
介護ハンドブック | 40歳以上の全グループ社員、管理職に配布 |
社員の仕事と子育ての両立のため、当社グループでは必要な制度や支援を整えています。育児休職からの復職者を対象としたワークショップでは、有識者からのアドバイスや先輩から実利的なノウハウを得て、復帰のウォーミングアップおよび復職後のキャリア構築の一助となるよう図っています。
休職中にもキャリアを維持し最新の情報に触れるために、希望者は社内LANに接続して学習や情報収集することも可能です。
育児休職復職率は毎年95%を超える状況が10年以上続いており、育児と仕事の両立は、当社グループにおいてはすでにあたりまえのこととなっています。
近年は育児休職を取得する男性社員も増加しており、2019年度の男性社員の育児休職取得率は23.4% (当社単体)に達し、平均取得期間は55日となっています。また、社内SNSによる育児に取り組む男性社員同士の交流の輪が広がっています。
産前産後休職 | 最長9ヶ月 |
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育児休職 | 最長子どもが2歳になるまで取得可能(分割取得可能) |
短時間勤務 | 2時間/日まで。「育児期間」として子が最長小学6年生まで、「養育期間」として病気・障がいなどの中高生の養育を想定し子が18歳まで取得可能 |
妻の出産休暇 | 男性社員を対象に、特別有給休暇を2日まで取得可能(分割取得可能) |
男性社員のネットワーク | 全グループの男性社員を対象とした社内SNS |
育児休職中のキャリア開発支援 | 育児休職中のeラーニングや資格取得、通信教育の受講と補助金の給付 |
育児休職ワークショップ | 育児休職者、復職者向けの復職後の働き方・キャリア構築ワークショップ(夫婦参加型) |
産休・育休者面談 | 産休・育休前および復職後の3者面談(本人・上司・ダイバーシティ推進室担当者) |
その他 | フレックスタイム、積み立て特別有給休暇(残った年次有給休暇のうち翌年度に持ち越せない分を60日分まで積み立てられ、私傷病、介護、育児、社会貢献などによる休暇を貼日単位で使用できる制度)などの併用も可能 |
当社グループは、中期経営計画の一環で「働き方改革」(Workstyle Foresight®) を推進し、多様な働き方に対応した環境の整備(フリーアドレスの導入、サテライトオフィスの設置・運用、シェアオフィスの使用開始)を推進しています。
2008年度から実施してきた在宅勤務制度を、新たに“Smart-Work”(在宅勤務制度)として、月単位で実施を選択できる柔軟な制度に改定しました。
さらに2017年度からは、時間・場所に制約されない働き方の実現を目指し、全社員を対象としたテレワークを展開しています。
社員が適切なワークスタイルを選択することにより生産性を向上させ、さらに余暇や家族との時間的なゆとりをもたらすことを目指しています。
社員からの相談内容は育児・介護と仕事の両立、キャリアの選択、能力向上、人間関係など多岐にわたります。社内に常駐するアドバイザー、外部の専門家カウンセラーに面談/eメール/電話で相談することができます。また、24時間対応可能な外部相談窓口に匿名で相談もでき、問題の早期発見と解決を図っています。
女性活躍推進をはじめとしたさまざまなダイバーシティの取り組みについて、外部より評価されています。
当社グループは、ビジョンや戦略に対する実行力が高い組織へと自らを変革するため、営業プロセス改革、パイプライン管理の浸透など、社内のルール・制度全体を見直すマネジメントに正面から取り組んでいます。また、目的・目標の設定から逆算していくマネジメントスタイルの定着や、経営陣と社員のコミュニケーション強化に取り組み、組織文化の改革にも注力しています。そのようななか、目標を確実に達成するため、「Visualized Management Method(VMM®)」というマネジメント手法を導入・展開しています。VMM®の特徴は、達成時の明確なゴールを設定し、バックキャスティングでKPIを決定します。また、モニタリングボードで達成状況を可視化・共有するだけでなく、コーチングにより行動変容を促すことで、着実にKPIを実践し目標達成につなげます。
2019年度からは、希望者にはKPI個別相談会を実施しています。組織のあるべき姿やゴールに合致しているかなどの観点からKGI/KPIの有効性・妥当性を検証し、場合によっては修正することにより、中期経営計画および中長期の戦略を着実に実行することを目指します。
当社グループは、人財こそ当社グループの最も重要なアセットであるという認識のもと、雇用者の責務として従業員の人権を尊重し、職場における安全と健康を確保し、快適な職場環境の形成に努めています。関連の法令遵守はもちろんのこと、労働環境に対する社会的関心の高まりや、国際的な原則も考慮したうえで、人権侵害、労働災害や健康障害を未然に防ぐ取り組みを推進し、従業員が将来にわたり心身ともに健康で、安心して働ける職場づくりを目指しています。
また、当社グループは、「国連グローバル・コンパクト」に2014年に署名し、「ILO中核的労働基準」の4分野(結社の自由及び団体交渉権、強制労働の撤廃、児童労働の実効的な廃止、雇用・職業における差別の撤廃)を支持しています。
雇用・職場においては、「グループ・コンプライアンス基本方針」および「日本ユニシスグループ役職員行動規範」に定める通り、人種、信条、性別、社会的身分、宗教、国籍、年齢、性的マイノリティ、心身の障害などに基づく不当な差別は行いません。また2020年6月に「日本ユニシスグループ人権方針」を策定し、あらゆる形態の強制労働や児童労働は認めないこと、労使間の対話を大切にし、労働者の団結権、団体交渉権を含む労働者の権利を尊重することをコミットしています。
なお、労働基準に関する法令や会社方針については、就業規則などの配布、社内ホームページへの掲載、eラーニングなどによる啓発を通じ、国内外の従業員に周知を図っています。
当社グループでは、労働安全衛生法に基づき、該当する事業場ごとに衛生委員会を定期的に開催しています。委員会では、
などについて調査・審議が行われており、必要に応じて会社に対して意見を述べています。
労使間での36協定締結など法令遵守はもちろんのこと、「残業メリハリ活動」などの働き方改革の施策によって、残業時間の削減に努めています。
2019年度の従業員1人当たりの平均月間残業時間は、2015年の19.3時間から15.5時間まで削減されました。
「働き方改革」を推進する指標のひとつとして、2018年度からは、独自基準による年次有給休暇取得率80%の達成を掲げています。余暇を確保しワークライフバランスを実現することにより、心身の健康維持・向上を図っています。
2019年度の有給休暇取得率は、86.2%でした。
法定の健康診断項目に、年齢別に便潜血検査などの検査を追加した定期健康診断を実施し、結果をPCやスマートフォンで参照できるシステムの提供により、診断結果の正しい理解と健康意識の向上を図るとともに、精密検査や医療機関受診の勧奨を行っています。
また、日本ユニシス健康保険組合との連携により、がんの早期発見に向けて、婦人科健診や、人間ドック、脳ドック受診料を補助する制度を設けています。
2019年度の定期健康診断受診率は、100%(日本ユニシス)でした。
社内診療所を設置し、内科、精神科、皮膚科の診療を行っています。法定健康診断、エコー検査も実施可能で、放射線室、薬局、休養室などの設備もあり、社員が生涯に亘って安心して働ける環境を整えています。
2016年度より新たに禁煙外来を開始しています。なお、喫煙者は、2015年度26.0%から2019年度23.4%と減少傾向です。
健康管理室を設置し、保健師が随時健康相談を行っており、診察が必要と判断した場合には、診療所と連携して治療にあたる体制を整えています。
2020年度より社内診療所の診察および社員相談室のカウンセリングについて、対面だけではなくオンラインでも実施し、社員の利便性向上を図っています。
また、社員へ季節性インフルエンザ予防注射の接種を推奨し、毎年11月頃に本社支社店内で接種を実施しており、あわせて社員家族への接種費用補助を行なっています。
次のような対策を行っています。
次のような対策を行っています。
なお、当社グループのマテリアリティ(サステナビリティ重要課題)のひとつ「健康経営の推進」の指標として、高ストレス保有者数、2016年度対比で80%以内(2021年度末)を目標としています。
2020年度は、2016年度比78.2%でした。
就業規則において、セクシャルハラスメント、パワーハラスメント、マタニティハラスメント、LGBTなど性的マイノリティに関するハラスメントを含め、社員の人格を傷つけ、業務、意欲を阻害させるような行為をしないよう努めることを定めています。また、「セクハラ防止ガイドライン」「パワハラガイドライン」を作成し、社内の啓発に努めており、特に管理職に対しては、新任管理職全員が必ず受講する研修において事例の共有を行うなど、注力して啓発を行っています。
労働基準法などの各種法令や労働組合との労働協約に基づき、賃金、諸手当、賞与、退職金などについて社内規程を定め運用を行っています。最低賃金、法定給付、超過勤務などの賃金関連法令を遵守し、決められた支払い期間と時期で給与明細または電子データによる通知を行い、直接、従業員へ賃金を全額支給しています。また、国籍や信条、社会的身分、性別などによる格差はありません。
生活の基盤である住宅関連として、独身寮・転勤社宅と住居費補助の制度を設けています。また生活の安定を目的とし、扶養家族の人数に応じて支給する家族手当の制度もあります。その他、積立貯蓄・財形貯蓄制度や社員持株会、互助組織である福祉会など社員が安心して生活を送ることができるように様々な制度を設けています。
人事担当部門に設置された社内相談窓口と、匿名・記名を問わず利用できるコンプライアンス委員会事務局・監査役への直接の報告・相談ルート(ホットライン)を社内外に設置し、従業員は、相談、報告の内容に応じて、適切なルートを自身で選択することができます。
また、これらの報告、相談を行った者(通報者)がそれにより不利益を受けることがないよう、会社は最善の配慮を行うよう定め、通報者の保護を図っています。さらに、通報者の行為に対して不利益な取り扱いを行った役職員に対しては、懲戒処分などの厳正な対応を行うよう「グループ・コンプライアンス基本規程」に明記しています。
当社グループは、結社の自由と団体交渉権を尊重しており、当社および一部のグループ会社の社員が加入する「日本ユニシス労働組合」が組織されています。各社と「日本ユニシス労働組合」の各企業支部は、それぞれ安定した労使関係にあり、労使協議会などを通じ、社員の労働条件などについて定期的に交渉・協議しています。
労使協議会は原則、月1回開催し、労使間での対話を行っています。
2019年度の労働組合加入者割合は、94.37%です。
当社グループは、ビジネスパートナーとなる協力会社様、お取引先様との公正かつ透明な購買取引の実現と、人権や環境に配慮した調達を目指し「日本ユニシスグルー...
当社グループでは、情報成果物委託/役務提供取引における協力会社様とのコミュニケーションを日頃より密接に連携する中で相互の信頼関係を構築し、公正かつ公平...
当社グループは、品質、コスト、納期、サービスに加え、環境・社会に配慮した事業活動、持続可能な社会の発展への貢献など、総合的な観点から調達判断を行ってい...
お取引先様においてもビジネスパートナーとして当社グループのサステナビリティへの考え方と取り組みをご理解いただくとともに、主要な協力会社様、お取引先様の...